【すべて分かった!】誰でもできる!補助金の通し方 6つのポイント【高再現率】

第9回事業再構築補助金の公募のグリーン成長枠の採択率は39.7%で、減点が大きい(第5回の公募にも採択)中でも採択を勝ち取ることができました。

採択を勝ち取るには明らかにTIPS(コツ)が存在します。

僕は中小企業診断士の資格や簿記の資格も持っていませんが、今回の第9回事業再構築補助金の公募の採択を勝ち取ったことで、僕はそのコツをつかんだと確信しました。

採択を勝ち取る方法は、審査項目通りに計画書を書く事だけです。

しかしながら、審査項目を理解するためには、中小企業診断士特有の思考経路を熟知することが必要です。

この記事では、補助金を獲得するための手順を体系的に説明していきます。

目次

事業計画書に魂を込める


体系的と言いながらいきなり「魂」の話をすると、結局根性論の話?と受け止められてしまうかもしれません。。

事業計画書を書くこと自体は非常に簡単ですが、その計画を実行して売上高を確保したり、機械の稼働率を確保したりする事はとても難しいことです。

何かしらの成果を達成するには強烈なリーダーシップが必要で、多くの人を巻き込んで人を動かす必要があります。

その事業を補助金が無くても実施する意味はあるか?

まず最初に、その事業は補助金が無くても実施すべきなのかもう一度考えてみてください。

「こんな機械設備を買えばもっと粗利が良くなると思うんだけどどう思う?」「こんな新規事業を始めようと思うんだけどどう思う?」と現場の人たちの意見を聞いてみたことはあるでしょうか?

自分では良いと思っても実際に現場の人たちにとっては邪魔なものだったり、不要なものだったり、そもそもそんなことする必要は全くない、というのはよくある事です。

現場の人たちが何に悩んでいるのか?その悩みを解決する手段となりえるのか?その事業はニーズに合ったものなのか?を重要視しましょう。

事業リスクや投資リスクを低減させる手段として補助金を活用すれば、その事業計画はとても良いものになります。

無謀でハイリスクな事業計画を排除するため、その事業は補助金がなくても実施する意味があるのか?実際にすすめる覚悟をもっているか?を今一度考え直してください。

「月次決算」を提出し、事前に金融機関と良好な関係を作っておく

大規模な事業であれば資金調達が必要になります。

資金調達で一般的な方法は金融機関からの融資かと思います。

実は、金融機関は事業再構築補助金などの事業をサポートすればその支店にポイントが入ります。

ポイントを多くとれば支店の評価につながり、融資担当の人の昇進にもつながっていくというわけです。

金融機関は融資リスクの低い事業者に融資したいはずです。

金融機関からの信頼を獲得するには、日ごろから「月次決算」を金融機関に提出することをオススメします。

月次決算とは、具体的には「資金繰り表」「損益計画書」「新規受注表」などを指します。

金融機関によって提出すべき資料は多少異なるので、何を提出すれば金融機関の手間が手間が省けるのか聞いてみると良いでしょう。

ポイント

用がなくても金融機関へ月次決算の提出は必須

金融機関に何の資料が欲しいのか具体的に聞いてみる

比較損益計算書を自分で作成できるようにしておく

金融機関の担当者に事業計画を説明してみましょう。

説明回数に比例して、その計画書は現実性を帯びて分かりやすいものになるはずです。

中小企業白書を読む


補助金の申請書類を書くような方は、少なからず経営に関連した本を読んだことがある方が多いはずです。

あなたが感銘を受けた本は、「マネジメント」(ピーター・F・ドラッカー著)かもしれませんし、「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」(岩崎 夏海著)や「稲盛和夫の実学」(稲盛和夫著)かもしれません。

感銘を受けた本を参考に経営を進めることはとても良いことだと思います。

しかし、補助金の計画書を完成させるにあたり、読むべき本はほぼ1つに限定されます。

補助金の事業計画を書くには「競争の戦略」(M・ポーター著)に沿って書く必要がある

読むべき本というのはずばり「競争の戦略」(M・ポーター著)です。

実際に、中小企業庁は「競争の戦略」を参考にして中小企業の競争戦略の実態を把握しています。

中小企業庁 2020年度版中小企業白書 第2節中小企業の競争戦略

現状の事業がどの戦略なのか当てはめる

資料によれば、中小企業の戦略は4つに分かれます。

事業計画書を採点する中小企業診断士は、中小企業庁が公表している資料を熟知しているはずです。

既存事業を説明する際は、自己流の言葉で説明するのではなく、この4つのどれかのキーワードを使って説明すれば減点されない計画書になるはずです。

2020年度の中小企業白書の内容ですが、この戦略の考え方はずっと使うことができるものだと考えます。

社会的な意義があるように書く

国の補助金を獲得するには社会的意義が必要

国の補助金を獲得するにはその事業に社会的な意義を見出す必要があります。

例えば、新規事業で流行りのサウナ事業をやる案を思いついたとしましょう。

ただ単にサウナ事業をやる計画書を書いただけでは補助金を獲得することはできません。

補助金を獲得するには、国が抱えている悩みをサウナ事業で解決できるという根拠と説明が必要になります。

ポイント

どんな小さな事業にも社会的意義が存在する

現状把握をしよう


僕の憶測かもしれませんが、中小企業診断士の方々は「現状把握→目標設定→課題抽出」という特有の思考回路を持っていると感じています。

「現状把握ができなければ目標は絶対に設定できない」と考える方もいます。

補助金の採択を勝ち取るには、この考え方に沿って事業計画書を仕上げる必要があります。

よくある自己流の事業計画書には以下のような文言が記載されています。

このような表現の仕方だと、減点が多く採択されない可能性が高くなります。

「異なるビジネスモデルの粗利を比べることになんで意味があるのか?」

このような疑問を持つ方もいるかもしれませんが、中小企業診断士特有の現状把握の仕方を学ぶことで採択を勝ち取ることができます。

決算書からExcelで比較損益計算書を作る

Excelで正確な比較損益計算書を作るには、正確な決算書を用意する必要があります。

正確な決算書には正確な原価計算が必要です。

決算書の作成を税理士や会計士の先生に一任するやり方では正確な決算書は完成しません。

ポイント

正確な決算書が仕上がっているのか確認しよう

そのうえで、自社の財務状況を比較損益計算書で把握しよう

比較損益計算書のExcelは以下からDLできます。

比較損益計算Excel

比較損益計算書のExcelが作成できると、自社状況を中小企業診断士が良く使う言葉で説明することができるようになります。

クロスSWOT分析から問題点と課題を洗い出す

SWOT分析Excel

事業再構築補助金の審査項目を見ると、SWOT分析をするように明確な指示が記載されています。

改めて自社の強みや弱みを考えてみると全然記載できない場合が多いです。

当たり前だと思っていることが実は他社との競合優位性になっていることも少なくありません。

強みに関して記載するときは以下の方法を試してみましょう。

弱みに関して記載するときは以下の方法を試してみましょう。

脅威や機会に関しては、経済産業省や厚生労働省、中小企業庁の公表する資料を参考に記載します。

中小企業庁

厚生労働省

経済産業省 委託調査報告書

特に、「経済産業省 委託調査報告書」で、PowerPoint等で資料がまとまっているので非常に読みやすくておススメです。

課題とは、弱みを強みにするには何が必要か?機会を強みにするには何が必要か?脅威を機会にするには何が必要か?を考えること

SWOT分析の目的は、ただ単に強みや弱みをわかりやすく説明することではありません。

中小企業診断士の方々は「現状把握→目標設定→課題抽出」という特有の思考回路を持っているため、SWOT分析で記載した内容を基に目標(値)を設定するのが適切だと考えています。

つまり、現状把握や競合他社の分析によって改善できそうな部分(問題点)を発見し、その問題点を解決するために何が必要なのか(課題)を発見し、その課題を補助金を利用した設備投資で実施するという話の進め方が減点されない文章の作り方になります。

「違うビジネスモデルなのになぜ既存事業の粗利を把握しなければならないのか?」「異なるビジネスモデルを比較する意味がわからない」

普通に考えれば、このような疑問を持つのは至極当然です。

しかしながら、中小企業診断士の考え方だと「既存事業の分析ができていなければ課題はそもそも存在しないよね?既存事業の粗利を超える新規事業を計画することができないよね?残念、減点」となってしまうんですね。

ポイント

「現状把握→目標設定→課題抽出」

中小企業診断士特有の考え方を理解する

企業理念を作ってみる

企業理念が会社に存在しない場合は、SWOT分析を基に企業理念を作ってみてください。

SWOT分析の強みの部分が自社を説明する特徴なので、強みを表す言葉で企業理念を作成しましょう。

地元に特化している企業がいきなり全国展開する企業理念を作るような間違いをすることは無くなるはずです。

目標設定と課題抽出

SWOT分析で現状の会社の状況が把握出来たら、次に目標値を設定します。

売上高、売上総利益、営業利益のうちどれを目標とするのか?

現状分析ができていれば、売上高は前年比何%なのか?売上総利益率が何%なのか?など、問題点がどこにあるのか把握できているはずです。

そして、各項目の数値が競合他社と比較して何%低いのか?そして、その原因が何なのか?問題点がどこにあるのか?これらが少しずつ分かり始めているはずです。

現状分析ができたら、各項目の目標値を設定しましょう。

既存の経営状況(既存事業)を改善させる課題解決策を提示する

減点されないポイントは、中小企業診断士に既存の経営状況を改善させる課題解決策を提示することです。

新規事業の粗利率が既存事業の粗利率よりも低ければ、「新規事業による経営改善」にはならないので、中小企業診断士は減点対象としてしまいます。

投資をした後、十分な稼働を確保できるか?キャッシュフローがプラスになるもの以外はゴミ

投資をしてもキャッシュフローがプラスにならなければ意味がありません。

僕が実際に経験して驚いたのは、最先端の設備を導入しても現場の方が「もったいないから新しい機械を使うことができない」と一切使用してくれなかったことです。

自分なりに綿密に考え、現場の方の意見も十分に聞いて購入したつもりでした。

新しい機械であれば、既存の作業がより楽になり、且つ効率的になるだろうと現場の方のために設備投資をしたつもりでした。

しかしながら、現場の人にとっては既存の機械で作業することに何も不便なく、何も悩みなど無かったのです。

その方にとっては、新しい機械の使い方を覚え、使いこなせるようになる方が苦痛で大変な作業になってしまったのですね。

このように、経営側と現場サイドでは考え方が全く違う事が良くあります。

投資する事業が本当にうまく回るのか?設備投資した設備の稼働率を確保できるのか?改めて現場の方の意見を聞いて判断してみましょう。

ポイント

とにかく現場を自分の目で見る

テスラとスペースXの創業者、イーロン・マスク(Elon Musk)はウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)CEOサミットでのインタビューで次のように主張しています。

「もし経営陣がプレゼンテーションやスプレッドシートのレビューに長い時間を費やしているなら、それは見当違いだ。生産現場で過ごす時間や顧客と一緒にいる時間をもっと増やすべき」

分かりやすい資料を作成するコツ

ここからは、資料作りのコツについて見ていきます。

国が抱えている悩みをHPで確認し、本事業で解決できることを強調する

国の補助金の採択を勝ち取るには、国が抱えている悩みの解決策を提示しなければなりません。

国がどのような悩みを抱えているのかは全てHPで公表されています。

毎年国会で決定される予算案の概要を見て、どのようなことにお金をかけて取り組む予定なのか把握するのが良いでしょう。

経済産業省 予算・税制・財投

そして、事業計画書に記載する際は必ず出典データを国が公表したものを使用するようにします。

業界用語を避け、その業界を全く知らない中小企業診断士が理解できるように書く

事業説明をする際には、その業界を全く知らない中小企業診断士でも理解できるようにしなければなりません。

どうしても業界用語を使用したい場合は、国が公表している資料を引用しましょう。

中小企業白書を熟読しているかのように中小企業診断士が好む言葉を使用する

中小企業診断士が好む言葉とは例えば以下のような言葉です。

現状、目標、問題点、課題、課題解決策、選択と集中、キャッシュフロー、差別化、コストリーダーシップ、イノベーション、シナジー効果、ニッチ分野、ニーズ、変動費、固定費、付加価値額

これらの言葉を組み合わせるだけでも全く減点されない事業計画書が完成します。

まとめ

補助金の採択を勝ち取るには、中小企業診断士特有の思考経路を熟知することが必要です。

中小企業診断士特有の思考経路とは、「現状把握→目標設定→課題抽出」の思考回路であり、この構成に沿って文章を完成されば減点されない事業計画書が完成します。

ココナラで資料作成サポートを請け負いますので、興味がある方はぜひご連絡ください。