【若手技能士が理解する鉄筋施工】基礎構造について

鉄筋工事業界では外国人実習生の数が非常に多くなってきました。

何も前提知識がない外国人の子に、いきなり「梁の主筋」について教えてもさっぱり意味を理解することができないと思います。

この記事では、鉄筋工事を学ぶ際に必須の前提知識「基礎構造」について簡単に説明します。

建築構造について

建築構造は、建物を支えるための骨組みやその他の構成要素の配置や設計のことを指します。

建築構造は、建物の安定性や耐力、耐震性、耐久性などを確保するために非常に重要です。

人間の生活および活動の場である建築物は、地震、風、雪などの外力に耐え、その形状や機能を維持できるように建築される必要があります。

その為には、地震、風、雪、などの力の性質を知り、その力が作用したときに建築物がどのような動きを知り、建築物が安全であるような構造を決定する必要があります。

上部構造と下部構造

建築構造は基礎面を境として上部構造と下部構造に分けることができます。

日本は地震がとても多く、鉄筋が多く配筋されたRC造の基礎構造を持つ建築物が多い

日本は地震の発生頻度が高く、日本の構造物には地震に強い建築構造が求められます。

基礎構造は、一般的に地面の中にあり、直接目に触れることは少ないですが、上部構造の良否を左右するほど非常に重要な役割を持っています。

日本の建築物の基礎構造に一般的なのは鉄筋コンクリート造(RC造)です。

日本では建築基準や地震対策が厳格化されており、建築基準法や建築物の耐震設計に関する法律が定められ、地震に対する基準を満たすためにRC造の基礎構造が選択されることが一般的になっています。

コンクリートが普及する前の明治時代の日本(1870年頃)では「礎石基礎」や「玉石基礎」が主流だった


RC造の基礎構造が主流になった背景を少し詳しく見ていきましょう。

コンクリートが普及する前は、日本では「礎石基礎」や「玉石基礎」と呼ばれる基礎構造が主流でした。

礎石基礎の場合、建物の柱や壁の荷重を受け止めるために使用される部材は、大きな石のブロックです。

一般的に、建物の各角や柱の下に礎石が配置されます。

これにより、建物の重みが地盤に均等に分散され、地盤沈下や建物の傾きを防ぐことができます。

多くの地震災害をきっかけに、RC造の基礎構造を持つ建築物が一般的になった

都市化や人口密集の増加などの近代化に伴って、日本ではより耐久性や安定性の高い構造物が求められるようになりました。

礎石基礎は、地震や地盤の沈下などの問題に対して十分な耐力や耐震性を提供することができない事がおおくなり、多くの地震災害をきっかけに、RC造の基礎構造を持つ建築物が一般的になりました。

以下に代表的な日本の震災例を示します。

上記のような地震による災害を経験している国はそれほど多くはありません。

地震がほとんどまたはまったくない地域では、建物の設計において地震以外の外的要因が重要となります。

例えば、風に対する耐性や降雪などの要素が考慮され、建物の安定性と耐久性が確保されるようになります。

RC造の基礎構造は主に3種類


参考:鉄筋技能士テキスト

RC造の基礎は独立基礎、連続基礎、べた基礎の3種類です。

独立基礎


独立基礎は、柱を中心として四方に出ているベース(基礎スラブ)を地耐力、杭の耐力で指示する構造になっています。

日本の商業施設や工業施設に非常に多い基礎構造です。

連続基礎

連続基礎は、柱や壁などの荷重を分散させるために、建物の下に連続して配置される基礎です。

基礎の全体が連続的につながっているため、建物の重みを広範囲に分散させることができます。

長い壁や柱を持つ建物や、建物全体の重心が一定の場合に使用されることが一般的です。

べた基礎


べた基礎は、建物全体の床面積を覆う一つの平らなコンクリート基礎です。

建物の荷重を均等に広範囲に分散させるために使用されます。

べた基礎は一般的に低層の建物や家屋に使用され、地下室や地下階のない構造に適しています。

まとめ

この記事では、鉄筋工事を学ぶ際に必須の「基礎構造」について解説しました。

鉄筋工事を本格的に学ぶ前に前提知識となる「基礎構造」をよく理解しましょう。

基礎構造をざっくり理解出来たら、続いて独立基礎の「ベース」について学習していくと効率的に鉄筋工事を学習することができます。