鉄筋の運搬車両について

現場監督の仕事をしていたとしても、鉄筋工事の作業内容を細かく理解されている方は少ないと思います。

鉄筋って何で運ぶの?トラック?そう疑問に思った方も少なからずいるのではないでしょうか。

この記事では、鉄筋工事の際の搬入車両について詳しく見ていきます。

鉄筋材料について

まずは鉄筋材料について基本知識を抑えておきましょう。

鉄筋材料には大きく2種類あります。

生材(なまざい)と加工材です。

生材とは異形棒鋼製造メーカーが作成したもので、曲げ加工がされていないまっすぐの異形棒鋼材料です。

対して、加工材とは鉄筋工事業者の鉄筋加工工場で曲げ加工された異形棒鋼の材料です。

定尺材は3.5m~12m


生材は定尺材(ていしゃくざい)とも言われます。

定尺材は一番短いもので3.5m、一番長いもので12mで、0.5m刻みに存在しています。

構造物の設計にもよりますが、土木工事であれば場所打ち杭の鉄筋材料で長尺の定尺材料が使用されます。

また、建設工事であれば、S造構造物の基礎工事で梁の中間材料として長尺の定尺材料が主に使用されます。

12mより長いものは車両に乗らない

特殊な工事でない限り、12m以上長い鉄筋材料を使用することはほぼありません。

12m以上の材料を運搬できる車両は非常に特殊な車両になるためコストが高くなるので、設計条件下で圧接すれば長尺の定尺材料をあえて使う必要もありません。

12m以上の材料を1人で持ち上げることができません。

あまりにも長すぎる材料は施工性が悪くなるのも容易に想像できると思います。

鉄筋工事の搬入車両

では、鉄筋材料を運ぶ車両について詳しく見ていきましょう。

鉄筋工事では、大型トレーラーやユニック車用いて鉄筋材料を工事現場に運搬することが多くあります。

工事初日は「28t平床セミトレーラー」や「14t平トラック」で鉄筋材料を搬入する

5m以上の定尺材などの生材を運搬する際は、「28t平床セミトレーラー」「14t平トラック」が一般的です。

鉄筋工事の初日は杭頭補強筋やベース、柱、梁の材料を搬入します。

土木工事の場合、長尺の場所打ち杭の杭頭補強筋が使用されるため、5m以上の長尺の鉄筋材料を運搬できる運搬車両が必須になります。

また、建築工事の場合、工事初日に施工するのはベースや柱、梁の主筋の段取り(必要部材をクレーンなどで適切な箇所に運搬すること)です。

梁の主筋のうち、特に中間材料は長尺になるため、上記の運搬車両を使用する鉄筋工事業者が多いはずです。

現場で荷下ろしする際は、ラフター/クローラークレーンを使用します。

吊り荷の最大荷重等は、事前に鉄筋工事業者に問い合わせすると良いかと思いますが、建築工事であれば概ね最大2t前後になります。

初日以降は4t-8tユニック車が多い

もちろん曲げ加工された材料も28t平床セミトレーラーで現場に運搬されることもありますが、細かい鉄筋材料はユニック車を用いた運搬が一般的です。

ユニック車は工事現場内での小運搬に非常に便利で、初日以降の工事車両で良く使用されます。

土間/スラブ配筋や底版配筋の場合は「28t平床セミトレーラー」「14t平トラック」

土間/スラブの配筋は5.5mや6.0mの材料を使用することが一般的です。

初日の運搬車両と同様、「28t平床セミトレーラー」「14t平トラック」を使用して鉄筋材料を搬入することが多いです。

まとめ

この記事では、鉄筋工事業者の工事車両について説明しました。

鉄筋業者の方と工事の打合せを行う際の基本知識として押さえておきましょう。