
横浜国立大学理工学部建築都市環境系学科卒
一級鉄筋技能士
一級鉄筋技能士(施工図作成作業)の試験対策です。
試験内容は、柱、大梁、小梁の3つに分かれています。この記事では小梁の書き方を説明します。
目次
一級鉄筋技能士試験について
技能検定は、「働く人々の有する技能を一定の基準により検定し、国として証明する国家検定制度」です。
鉄筋技能士試験は、「施工図作成作業」と「組立作業」の2種類です。
過去問題は、以下のリンクから参照できます。
合格率は約50%で、難しくない
一級鉄筋技能士試験(施工図作成作業)の令和2年度の合格率は約50%です。
過去問を研究し、ポイントをしっかり押さえれば難しい試験ではありません。
一級鉄筋技能士試験の時期は毎年2月頃
試験は毎年2月頃に実施されます。試験の申し込みは10月初旬に開始されます。
一級鉄筋技能士試験(施工図作成作業)小梁の作図ポイント
一級鉄筋技能士試験(施工図作成作業)において、一番最後に作図するのが小梁です。
3時間の試験時間のうち、柱の作図で30分、大梁の作図で60分の作図目標時間を達成できれば、時間に余裕をもって小梁の作図ができます。
小梁の作図ポイントを見ていきます。
小梁作図のポイント3つ
・目標時間は40分
・寸法は暗記
・寸法線の書き忘れに注意しよう
目標時間は40分
小梁の目標時間は40分とし、柱、大梁、小梁で計2時間を目標時間にしましょう。
残り時間の1時間は見直しや受験番号の記載時間にあてましょう。
寸法は暗記してしまおう
作図例にあるように、答案用紙は上の図と全く同じように記載します。
試験ごとに変化するのは寸法ですが、試験パターンも多くはありません。
過去4年間の小梁の試験箇所をみてみます。
実際の過去問題を見ると、X通りもY通りも通り芯間距離に変更はないので、記述パターンは2種類程度に絞られます。
パターンが少ないので、過去問で練習しながら寸法は暗記してしまいましょう。
寸法線の書き忘れに注意しよう
通り芯間距離などに変更はないので、寸法線は図と同じものを書くことになります。
時間が無くなると焦って寸法線の記載忘れが出てきてしまいます。
小梁を記載した後は、受験番号と氏名を右下に記載する必要があります。
その他、時間が余ったら寸法線の書き忘れがないかどうか必ず確認しましょう。
作図具体例
鉄筋施工(鉄筋施工図作成作業)1級の施工図の小梁の描き方です。
全体図は以下のようになります。
通り芯を2本描く
X3通りとX4通りの通り芯を記載します。
通り芯の長さは、適当で良いです。
大梁図の位置関係とバランスを取ってできるだけ大梁図の中心に書くようにしましょう。
寸法線を5本描く
寸法線は全部で5本記載します。
1本目:【4500】の全体寸法を記載します。
2本目:1本目から【250】ここには、柱の寸法【350】と柱間の寸法【4080】を記載します。
3本目:2本目から【250】ここには、通り芯と柱の割り振り寸法【180】【170】【250】【100】を記載します。
また、宙吊り筋ののみ込み余長寸法に係るL/4の寸法【1020】を記載します。
4本目:3本目から【250】ここには、宙吊り筋ののみ込み余長寸法に係るL/6の寸法【680】を記載します。
5本目:3本目から【250】ここには、宙吊り筋ののみ込み余長寸法【380(20d)】【290(15d)】を記載します。
小梁の鉄筋は全部で4段に分けて描く
梁の鉄筋は全部で4段に分けて記載していきます。
1段目:5番目の寸法線から【250】梁上端筋です。
2段目:1本目から【500】上宙吊り筋(上トップ筋)です。
3段目:2本目から【500】下宙吊り筋(下トップ筋)です。
4段目:3本目から【500】梁下端筋です。
端部の断面は各真ん中に収める
端部の断面は、【1020(L/4)】間の真ん中に書くようにします。中央部も同様にできるだけ中央にきれいに記載しましょう。
X3-X4間のST(スターラップ)の本数は、4080/@200+1=22本です。
幅止めも記載して完成です。
最後に記入漏れがないか確認しよう
記入漏れがないかどうかしっかり確認しましょう。
最後に、受験番号と氏名を右下に記載して終了です。
まとめ
一級鉄筋技能士(施工図)の試験はしっかり対策すれば難しい試験ではありません。
過去問を解きながら、試験のポイントを集中的に対策しましょう。