基礎梁について 積算具体例を紹介

梁の特性は構成される部材の種類や接合方法によって変化します。

例えば一般的な木造住宅に使用される木造の梁と、建物基礎に使用されるRC造の梁では接合方法も使用する部材も全く違います。

この記事では、建物の基礎に使用される梁(基礎梁)について詳しく見ていきます。

構造物の基礎について

梁の説明をする前に、構造物の基礎の役割をみていきます。

基礎の役割は地盤の強さを最大限にすること

構造物を建設する際に重要なポイントは、構造物の地盤が構造物の荷重によって破壊されないかどうかです。

つまり「許容支持力≧許容地耐力」が重要なポイントで、簡単に言えば「構造物の荷重≧地盤の強さ」となります。

この「地盤の強さ」は、地盤の許容支持力ともよばれており、テルツァーギの支持力公式で算出されます。

地盤の許容支持力は、基礎底面幅や根入れ深さに比例して大きくなります。

つまり、構造物の基礎は、地盤の強さを最大限にすることで破壊や沈下を防ぐ役割があります。

テルツァーギの支持力公式の解説 地盤の支持力の計算方法

基礎の種類

基礎は大きく2種類に分かれており、良好地盤に適用される直接基礎と強固な支持層まで杭を打ち込む杭基礎があります。

直接基礎はさらに、布基礎、べた基礎、深基礎と3種類に細別されます。

梁について

構造物に使用される梁について見ていきましょう。

部材の設計について

まず、構造物の設計フローを見ていきます。

構造物の部材の設計は、以下のフローで行われます。

構造部材の設計フロー

1.荷重の設定

2.検討モデルの評価

3.断面力や変位の算定

4.応力や変位の照査

荷重の設定

荷重には鉛直荷重と水平荷重の2種類があります。

鉛直荷重とは、自重や作業荷重による鉛直方向の荷重です。

水平荷重とは、地震時に発生する荷重や衝撃荷重、傾斜による自重による水平方向の荷重です。

検討モデルの評価

荷重を設定したら、部材をできるだけ単純化したモデルを使って考えていきます。

単純化したモデルとは単純梁や連続梁です。

木造の構造では部材同士がピン接合なので、単純梁でモデル化します。

一方、RC造の場合は部材同士は剛接合なので、両端固定梁としてモデル化します。

断面力や変位の算定

部材を単純化することで断面力や変位を公式に当てはめることができます。

応力や変位の照査

公式から算定した応力や変位が、部材が破壊されない許容値に収まることを確認します。

以上が構造設計の作業フローになります。

RC造の梁

多くの方が想像するのは住宅などで使用される木造の梁かと思います。

木造の梁の場合は、単純梁でモデル化して部材設計をします。

一方で、建物の基礎に使用されるRC造の梁は両端固定のモデルで設計をしていきます。

鉛直荷重や水平荷重を適切に設定したうえで、これらの荷重を柱に伝え、構造体全体が壊れない設計になるかどうか照査していきます。

梁は大梁と小梁の2種類

基礎梁は大きく大梁と小梁の2種類があります。

大梁と小梁

大梁は柱に接合する梁です。

小梁は大梁に接合する梁です。

梁に使用される鉄筋

梁に使用される鉄筋は「許容応力度設計法」によって選定されます。

基本的には上記に示した設計フローで鉄筋の径や種類を決定します。

部材の許容応力度に応じて鉄筋を太くしたり調整することで、RC造の梁がせん断破壊ではなく曲げ破壊になるように設計をします。

基礎梁に使用される鉄筋は、主筋、宙吊り筋、腹筋、巾止め筋、中子、あばら筋(スターラップ)です。

トップ筋は、カットオフ筋とも言います。

【建築】カットオフについて【鉄筋工事】

鉄筋の本数を増やし、かつ鉄筋と中立軸との距離を小さくすることで、鉄筋の曲げ引張強度を高めています。

スタラップとは、梁のせん断補強鉄筋を指します。

スタラップは、せん断力の作用に伴う斜めひび割れの進展を抑制し、急激な部材の耐力の低下を防ぐ役割を担っています。

https://www.tetsumag.com/2020/02/07/24/

鉄筋コンクリートの設計について

基礎梁の積算具体例

基礎梁の積算方法を具体的にみていきます。

基礎梁の継ぎ手の位置の設定をしよう

基礎梁の継ぎ手位置も、柱の場合と同様に断面力が大きく作用するような部分は避けて継手を設けることになります。

梁の場合は断面力のかかり方はスラブの有無や基礎の種類によって変わるので、以下の3種類を考えて継手の位置を考慮することになります。

3種類の継手の位置

1.基礎梁にスラブがつかない独立基礎の場合及び杭基礎の場合(基礎梁の下より地反力を受けない場合)

2.基礎梁にスラブがつく独立基礎の場合(スラブなどの上載荷重を受ける場合)

3.連続基礎及びべた基礎の場合(基礎梁の下より地反力又は水圧を受ける場合)

今回は、1.基礎梁にスラブがつかない独立基礎の場合及び杭基礎の場合(基礎梁の下より地反力を受けない場合)とします。

土間スラブの場合も1に該当します。

例の梁リストを用意して実際に基礎梁部材を拾ってみましょう。

通り芯間の梁の種類は、基礎伏せ図で確認しましょう。

ここでは、以下のような基礎梁を例として施工図を作成してみます。

A通りの基礎梁部材の入力を行います。

配筋しやすい施工図を書く

基礎梁の主筋部材は大きく3種類あります。追い出し筋、中間材、追い終い筋です。

一般的には、追い出し筋や中間材は、定尺の材料を使用し、追い終い筋は切断材料を使用します。

基礎梁主筋の柱への定着長さLaは、柱せいの3/4以上とします。

また、柱面から柱主筋までの間の距離を「にげ寸法(にげ)」と呼び、一般的なにげ寸法は100mmです。

実際の工事現場では、現場で材料の使用ミスを減らすために、追い出し筋を5500mmと6000mmの片アンカーの材料の2種類だけに調整したりします。

実際に現場の作業者が配筋しやすいように施工図を書くことが施工図作成者の腕の見せ所になります。

梁の鉄筋の基本 配筋、拾い方、圧接の位置まで解説

まとめ

この記事では、構造物の基礎の役割から梁の部材設計方法、基礎梁の具体的な積算事例までご紹介しました。

この記事を参考に、基礎梁の理解を深めてください。

https://www.tetsumag.com/2020/02/07/24/

建築でも土木でも無視できない!鉄筋工事における定着長さについて詳しく解説

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