【若手技能士が理解する鉄筋施工】定着 anchorage length of rebar

定着長さという概念は簡単そうに見えてとても難しい概念です。

柱、小梁、大梁、スラブなど、それぞれの構造部位によって定着長さは異なりますし、また、定着起点をどこから取るのかを理解するには豊富な知識と現場経験が必要です。

この記事では、若手技能士が理解できるようにできるだけ分かりやすく「定着長さ」について解説します。

建築でも土木でも無視できない!鉄筋工事における定着長さについて詳しく解説

定着長さとは?anchorage length


定着長さは、建築物や構造物の設計と施工の段階で重要な考慮事項です。

正確な定着長さの計算と適切な施工は、構造物の安全性と耐久性を確保するために欠かせません。

設計者や構造技術者だけでなく、私たち施工業者も定着長さの計算方法や要件についてよく理解しておく必要があるのです。

定着長さとは、鉄筋やアンカーボルト等の補強材料がコンクリート構造物に固定される長さ

コンクリートは圧縮力に強い材料ですが、引張力には弱い傾向があります。

そのため、コンクリート構造物に発生する引張力を受け持つためには、鉄筋などの補強材料が必要になります。

この補強材料をコンクリートと十分に結合させるためには、適切な定着長さが必要です。

定着長さの目的は引張力を他の構造部材に効果的に伝達すること

定着長さの目的は、コンクリートと補強材料の間の密着性を確保し、引張力を他の構造部材に効果的に伝達することです。

定着長さが不十分であると、補強材料がコンクリートから引き抜かれる可能性があり、構造物の安定性や強度が低下する可能性があります。

定着長さは一般的に、補強材料の20倍から50倍の直径または幅が必要になる

定着長さは、補強材料の表面積や形状、使用されるコンクリートの強度などによって異なります。

通常、定着長さは補強材料の20倍から50倍の直径または幅が埋め込まれる必要があります。

簡単に言うと、補強部材が抜け出る前に補強部材が切れるような長さ

ここまでまじめに記述してきましたが、正直ここまで読んで文章を理解できた方は相当優秀です。

もっと簡単に定着長さを説明すると、定着長さとは、補強部材が抜け出る前に補強部材が切れるような長さを指します。

鉄筋でいえば、鉄筋がコンクリートから抜け出る前に鉄筋が切れるような長さです。

鉄筋の引張力以上の力で鉄筋を引っ張ると、鉄筋は伸び切れてしまいます。

この時、定着長さが短いと鉄筋が切れる前に鉄筋がコンクリートから抜け出してしまいます。

RC構造物の設計では、このような定着長さを確保することで安全マージンを確保できる設計になっています。

ポイント

定着長さを簡単に表すと、補強部材が抜け出る前に補強部材が切れるような長さ

定着長さの起点はどこ?

定着の概念を理解できたところで、定着の起点について理解していきましょう。

定着を理解できていても、定着の起点を間違えてしまうと適切な定着長さを確保できません。

若手技能士にとって、この部分が分かりにくいポイントかと思います。

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起点は構造体の面 フカシは構造体ではないので注意

定着の起点(定着起点)は構造体のコンクリート面です。

わざわざここで「構造体の」コンクリート面と表現したのは、構造体ではない部分(非構造体)が存在するためです。

構造物には柱や梁、スラブ等の複数の構造部材が定着によって一体化しています。

これを一体式構造といいます。

複数の構造部材が一体化するには、施工上打ち増しする部分が存在しており、この部分を俗に「フカシ」や「打ち増し」と呼びます。

一般に「フカシ」や「打ち増し」は構造体とみなされない(非構造体)ので、定着を取る際は構造体のコンクリート面を起点とする必要があります。

ポイント

「フカシ」や「打ち増し」は非構造体

定着の起点は構造体のコンクリート面

まとめ

この記事では定着の基本的な概念と定着起点について解説しました。

鉄筋工事は一見簡単そうに見えても複雑な概念の理解と現場経験が必要になります。

少しずつでも良いので、一つ一つ鉄筋施工に必要な概念を理解していきましょう。