若築建設事件で有罪判決が下された「受託収賄罪」とは? 事件に関連する法律を解説

2000年に「若築建設」 から政治資金として賄賂が流れたことが問題視され「受託収賄罪」 が成立した「若築建設事件」。

若築建設事件を期に「公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律」が制定されるなど、 建設業界と政治家の賄賂による請託が問題視される事件となりました。

そこで気になるのが「受託賄賂罪」が成立する条件や、 新たに成立された「公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律」 の詳細ではないでしょうか。

そこで当記事では建設業界の方々に向けて、若築建設事件に関わった法律の詳細を解説していきます。

5分程度で読める内容となっていますので、ぜひ参考にしてみてください。

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若築建設事件とは?

結論から言うと「若築建設事件」とは、 当時建設大臣在任中である「中尾栄一」被告が若築建設から公共工事発注の手助けを行う見返りとして賄賂を受け取った問題です。

当時は石橋産業の子会社であった「若築建設」から、 6,000万円の賄賂を受け取ったことから「受託賄賂罪」が成立。

その後「中尾栄一」被告は東京地検特捜部の 創作により逮捕および起訴され、 2004年9月に懲役1年10ヵ月追徴金6,000円の実刑判決が下されました。

結果として実刑判決が下されないまま「中尾栄一」被告は持病で亡くなり、 事件の再発防止として公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律」が制定。

建設業界と政治家の賄賂による請託が世間に認知された事件の1つとして、マスメディアなどに大きく取り上げられた事件となりました。

受託収賄罪とは

結論から言うと受託収賄罪とは、 公的な職業を持つ政治家などが請託を受けて賄賂を受け取る罪です。

日本の憲法197条から198条に規定されており、 刑事罰は7年以下の懲役とされています。

単純賄賂罪との違いは請託が発生しているかどうかが鍵となり、請託がない場合には単純賄賂罪となります。

実際に賄賂を受け取っていなくても、 要求や口約束などが行われた時点で罪として成立。

特に政治家は選挙に必要な資金の調達が簡単に行え、企業は国から特別扱いを受けることでwin-winの関係が成り立ってしまいます。

更に収賄の立証が難しいため、証拠不十分で無罪判決が下される事件も多数存在しているのが現状とされています。

また受託収賄罪は公務員が請託することで加重される罪で、通常の賄賂罪よりも処罰が重いのが特徴です。

「公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律」とは?

「公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律」は、若築建設事件をキッカケに制定された法律です。

受託賄賂罪と大きく異なる点は「公職や国会議員秘書を、あっせんして仲介したかどうか」という点。

また「あっせん」とは賄賂を直接やり取りを行う仲介を行う行為の総称で、直接やり取りを行った被告だけではなく仲介人も刑事罰の対象として扱われます。

若築建設事件が発生する前までは法律として刑罰の対象ではなかったため、立証が難しかったものの制定後には刑罰の対象に。

「公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律」で、逮捕者が出た一例としては2002年に発生した汚職事件で逮捕状が出た事例が存在します。

また公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律」で処罰の対象外となる対象者は、以下が挙げられます。

  • 民間人閣僚(任命時に国会議員ではない国務大臣)
  • 民間人閣僚の秘書
  • 地方自治体の特別秘書

そのため公職に関わる自分物が、全て「公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律」に該当する訳ではないため注意が必要です。

若築建設事件に関する法律まとめ

最後に「若築建設事件」の詳細や、若築建設事件に関わる犯罪の詳細についてまとめていきましょう。

  • 若築建設事件とは当時建設大臣在任中である「中尾栄一」被告が若築建設から公共工事発注の手助けを行う見返りとして賄賂を受け取った問題
  • 「若築建設」から、 6,000万円の賄賂を受け取ったことから「受託賄賂罪」が成立
  • 受託収賄罪とは、 公的な職業を持つ政治家などが請託を受けて賄賂を受け取る罪
  • 「公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律」は、若築建設事件をキッカケに制定された法律
  • 「あっせん」とは賄賂を直接やり取りを行う仲介を行う行為の総称で、直接やり取りを行った被告だけではなく仲介人も刑事罰の対象として扱われる

「受託賄賂罪」が成立する条件や、 新たに成立された「公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律」 の詳細を紹介しましたが参考頂けたでしょうか。

政治家と企業が密接に関わることにより、発生しがちな犯罪である賄賂罪。

建設業関係者であれば企業のお金の動きに密接に関係する事件の数々が多く、関係ないとは言い切れない犯罪です。

企業と政治のスキャンダル報道で正しい理解を行うためにも、リテラシーを高めていきましょう。

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