【コンテック】建設業界の注目スタートアップ企業!

「Con-Tech(コンテック)」という言葉をご存知ですか?

建設業界は人材不足や高齢化、労働環境などで様々な課題を抱えており、その解決に導く考え方としてCon-Techが注目されています。

Con-Techにより業界の問題点はどう解決されるのでしょうか?

今回は注目の海外スタートアップの事例も含め、Con-Techについてご紹介します。

建設業界の問題点を解決する「Con-Tech」

様々な問題を抱える建設業界は、解決に向けてIT技術を取り入れようという考え方が広まっています。

その考え方がCon-Tech(コンテック)です。

まずはCon-Techとは何を示すのか、どのように問題点が解決されるのか見ていきましょう。

「Construction」と「Technology」

Con-Techは建築を意味する「Construction」と、技術を意味する「Technology」を組み合わせた言葉で、コンストラクションテックや建設テックとも呼ばれています。

具体的な意味は、業務効率化を目的に建設業のIT技術を用いる考え方です。

現場で行う調査や測量、設計、検査、維持管理などのプロセスを3Dデータ化し、可視化や効率化を図る狙いがあります。

IT技術の活用で働きやすい環境へ

Con-Techサービスには既に様々な種類があり、例えば施工物件の情報を集約・管理できる施工管理アプリなどがあります。

施工管理アプリでは図面や仕様書、工程表、検査など様々な資料がクラウド上で管理できるため、現場での作業と情報の共有がスムーズになるでしょう。

また、品質管理の向上にもつながります。

さらにIT技術の活用で働きやすい環境に変えられるので、人材不足の歯止めにつながると期待されています。

注目を集める海外スタートアップ

日本でもCon-Techを取り入れる建設会社は増えていますが、海外と比べるとまだ遅れているのが現状です。

IT技術の活用が進む海外では、Con-Techを取り入れた注目の海外スタートアップ会社がいくつもあります。

そこで今回は、2つの海外スタートアップの事例をご紹介しましょう。

Katerra

米国カルフォルニア州に本社があるKaterraは、2015年に建設されたスタートアップです。

たった3年で評価額3億ドルの急成長を成し遂げ、建築業界に改革を与えた会社として業界内で知れ渡っています。

そんなKaterraはICタグで出荷状況の確認や3D建設データ(BIMモデル)で情報共有を行っており、それらはERP(基幹システム)により管理し、生産性の向上を図っています。

ICタグやBIMでサプライチェーンの無駄を省き急成長

通常の建設業界は部材調達から配送に始まり、ディーラー、下請け業者、ゼネコンと長いサプライチェーンでした。

しかし、この方式には手数料や相互連絡が必要で、コストと時間に無駄が生じてしまいます。

そのためKaterraは、BIMやERPシステムにより設計・施行など全ての情報を3Dモデルで統合させ、サプライチェーン全体での共有を図りました。

調達から建設までの工程を垂直統合させたことで、品質の確保と工期の短縮に成功したのです。

同時にデザインにも力を入れており、意匠性に優れた建築が評価され、急成長へとつながりました。

Ynomia

Ynomiaは、オーストラリアのメルボルンに本社があるスタートアップです。

シードラウンドで資金調達を行ったばかりの会社ですが、2019年10月時点で月間5万ドル程の利益を出しています。

そんなYnomiaは、建設現場の動きや物品の状態が見える形になっておらず、そのせいで人員配置が適さず、業務効率が下がっていると考えました。

そのため、現場の人・資材・道具などをいつでも特定できるソリューションを提案し、建設業者の課題解決に導こうと取り組んでいます。

また、位置データを作業員に任せることで、コストカットを図る狙いもあるようです。

Bluetoothを応用したセンサー技術

Ynomiaでは、機器間でデータのやり取りを行うBluetoothを用いたセンサー技術を提供しています。

そのセンサー技術は電力が少量で、ネットワークの追加を行わずに接続できる設計となっており、水平面と垂直面の両方で現場材料の追跡を可能としました。

さらに取得した情報から見える化させ、分析して学習するアルゴリズムの開発も手掛けています。

大規模な建設プロジェクトで導入済みの実績

Ynomiaが提供する技術は、すでに本社のあるメルボルンやイギリスの大規模な建設プロジェクトに導入が進み、実績を生んでいました。

技術を導入しているプロジェクトには、メルボルンの中心部に完成する92階建ての集合住宅「オーロラメルボルンセントラル」やグレンウェイバリーのショッピングセンターの再開発、アパートとホテルで構成されるウエストサイドプレイスなどが挙げられます。

様々な現場スケールにマッチするYnomiaの技術は、デジタル化と縁遠くインパクトのある建設業界と非常に相性が良く、実績を伸ばし続けているようです。

まとめ

今回は建設業界が抱える問題点の解決につながるCon-Techと、注目の海外スタートアップの事例をご紹介しました。

Con-Techにより業界の問題は少しずつ改善され始めているとはいえ、まだまだ問題は山積している状況です。

現場の従業員は何に困っているのか声を聴き、それを基にCon-Techを手掛ける会社が新しいサービスを打ち出すことで、業界内の労働環境や業務効率は良い方向へ向かっていくと期待できます。