横浜国立大学理工学部建築都市環境系学科卒
一級鉄筋技能士
近年の画像系生成AIの進化によって、中小企業は低コストで自社商品を販促できるようになりつつあります。
画像から一貫性のあるアニメーション動画を生成できる技術『AnimateDiff』など個人的利用のバリエーションが増えている中で、今回は『Outfit Anyone』を紹介します。
目次
画像系生成AIについて
画像生成AIについて調査すると、個人向けの「美少女AI」や「グラビアAI」といった用途が数多く見られます。
しかし、中小企業が本当に知りたいのは、この画像生成AIの技術を商品の販促手段としてどう活用できるかではないでしょうか？
画像生成AIは、中小企業など法人が販促に活用できる素晴らしい技術の可能性を秘めています。
画像生成AIについて詳しく見てみましょう。
商品ページに画像生成AIを活用すれば販促の手段になる
画像生成AIの技術の進化により、実在しない仮想の世界やキャラクターをアニメーションで描くことが可能になりました。
アニメーションは視覚的な魅力に溢れ、視聴者に新しい視点や体験を提供します。
特に、実写映像では表現しにくい独特の感情表現や動きを、アニメーションは柔軟に表現できます。
この技術を活用することで、中小企業は自社製品（たとえば洋服など）のウェブページに、その商品の実際の利用例やシーンを顧客に具体的に示すことができます。
また、アニメーションを動画に変換すれば、SNS上で幅広く受け入れられやすく、中小企業にとっては商品の宣伝を手軽に行える環境が整備されています。
代表的ツールStable Diffusion
Stable Diffusionは画像生成AIの代表的なツールの一つです。
Stable Diffusionに拡張機能を追加することで、思い通りの画像やアニメーションを容易に生成することが可能です。
個人向けの利用を想定した拡張機能として、特に「AnimateDiff」が注目されています。
「AnimateDiff」は、Stable Diffusionで生成された1枚の画像からアニメーションを生成するための拡張機能です。
AnimateDiffを利用することで、アニメーションを手軽に生成することができますが、一貫性を保つためにはいくつかのポイントに注意する必要があります。
詳細については、AnimateDiff GitHubをご覧ください。
アニメーションツールDomo AI
Domo AIを活用することで、一貫性のあるデザインのアニメーションを手軽に制作できます。
このサービスの料金体系は以下のようになっています。
サービスを継続的に利用するには課金が必要ですので、注意が必要です。
| プラン | 価格 | 特徴 |
|---|---|---|
| フリープラン | – | 100クレジット（一回限り） |
| ベーシックプラン | $9.99/月 | 月500クレジット（ファストモード：約500画像または約30ビデオ） ウォーターマークなし 3つの並列ファストレーン 定期的なアップデートで全スタイルにアクセス オプションでクレジットのトップアップが可能（$2/100クレジット） |
| スタンダードプラン | $19.99/月 | リラックスモードでの無制限生成 月1200クレジット（ファストモード：約1200画像または約80ビデオ） ウォーターマークなし 3つの並列ファストレーン 定期的なアップデートで全スタイルにアクセス オプションでクレジットのトップアップが可能（$2/100クレジット） |
| プロプラン | $49.99/月 | リラックスモードでの無制限生成 月3000クレジット（ファストモード：約3000画像または約200ビデオ） ウォーターマークなし 6つの並列ファストレーン 定期的なアップデートで全スタイルにアクセス オプションでクレジットのトップアップが可能（$2/100クレジット） |
中小企業がバーチャル試着システムを使って商品を販促する
EC事業に乗り出そうとしている中小企業にとって革新的なツールが登場しました。
『Outfit Anyone』は、アリババグループのインテリジェントコンピューティング研究所によって開発された先進的な仮想試着ツールです。
このツールを使えば、自分の全身写真と気になっている服の画像をを用意するだけで、瞬時にオンラインでリアルな試着体験ができます。
商品画像ページに様々な着用シーンの画像を生成できる
商品画像ページの強化において、『Outfit Anyone』モデルの活用は極めて有効な手段です。
この技術を利用することで、商品の多様な着用シーンをリアルタイムで生成し、消費者への訴求力を高めることが可能です。
例えば、アパレル業界の中小企業が、特定のアパレル商品に関して、異なる環境、異なる人物モデル、異なる着こなし方を模倣し、それらを自然な形で表示することができます。
これにより、消費者は具体的かつ魅力的なビジュアル体験をすることができるようになります。
『Magic Animate』と組み合わせて動画アニメーション化し、SNS上にアップすれば効果UP
画像生成AIは、商品画像ページの質を向上させるだけでなく、顧客エンゲージメントを高め、ブランドイメージを強化する上で重要な役割を果たします。
消費者が商品を身につけている様子をリアルタイムにシミュレートすることで製品への興味を引き出し、購買意欲を喚起させることができます。
実際の試着の様子をSNS上にアップすれば、より強力な販促手段になるはずです。
SNS上にアップする際には、『Magic Animate』等の単一の写真からシームレスに自然なアニメーション動画を生成する技術を利用すればさらに購買効果はアップするでしょう。
(これ…凄すぎませんか？)
『Outfit Anyone』モデルは未公開だが、実装の基礎知識は身に着けておこう
残念なことに、『Magic Animate』のモデルはまだ公開されていないため、簡単に自社サイトに『Magic Animate』を実装することはできません。
しかし、今後この技術が公開された際に迅速に対応できるように、その基本原理と実装に必要な知識を学んでおくことは非常に重要です。
この技術を理解し、実装するためには機械学習の基本的な知識とPythonの知識が必要です。
『Outfit Anyone』のモデルが公開された際には、これらのスキルを活用して迅速に実装することができるでしょう。
そのためにも、今のうちからこれらの技術を学ぶことをお勧めします。
まとめ
最近の画像生成AIの進化により、中小企業が低コストで自社製品のプロモーションを行うことが可能になっています。
この技術を効果的に利用するためには、機械学習の基礎知識とPythonのプログラミングスキルが必要です。
画像系生成AIをつかって遊びながらPythonコードを動かしてみると良いと思います。
新時代に備え、これらの知識を少しづつ身に付けて行きましょう！