【2022年最新】AIは導入するべき? 企業の現状やメリットを解説 

近年、企業のAI活用が広がりつつあり、ニュースなどでも「AIブーム」という名称で取り上げるくらいに話題になっています。

しかし、AIをいざ導入するということに関して、以下のようなことを懸念する企業が多いのではないでしょうか。

「有名な企業が導入しているから、うちの会社でも導入した方がいいのかな…」

「とはいえ、AIがなんだかよくわからないし、何をやったらいいかわからない」

「AIを導入したら本当に仕事の生産性や効率は上がるのか…」

確かに、AIを導入することで会社の業績が上がるなら、今すぐにでも導入したいものです。

しかし、導入の費用対効果がわからない、導入プロセスそのものがわからないなど、不明点が多すぎて結局何も着手できないのが現状かと思います。

 

そこでこの記事では、AI導入を検討している方向けに、AI導入の現状や活用トレンド、導入した企業の客観的なデータについて取り上げて解説していきます。まずは、AIの導入に関する全体像を把握し、そのメリットやプロセスについての理解を深めましょう。

 

目次

AIとは? 

 

AIとは、アーティフィシャル・インテリジェンス(artificial intelligence)の略称で、人工知能とも呼ばれています。

一般的にAIは、人間の知覚や知性をソフトウェアで人工的に再現したようなもので、人間が経験をもとに学習するのと同じ要領で、AIもデータをもとに学習します。

経験(データ)から新たなタスクを学習し、それを繰り返すことで、人間の動きを再現できます。

 

AIの定義

AIに関する研究が進んだ現在では、研究者によって異なる定義がされています。

一般的には「人間のような知能をもったコンピュータ」と解釈されることが多いです。しかし、明確な定義がないのが状況です。

計算機科学者であるジョン・マッカーシー教授は「知的な機械、特に知的なコンピュータープログラムを作る科学と技術」の総称をAIと定義しています。

現在の日本では、上記の定義でいうAIに当てはまらない、ただの機械制御の領域でもAIと呼んでいる場合があります。これは、企業がマーケティングの狙いも込めて「AI」という単語を使っているという背景が少なからずあると考えられます。

また、古くからの機械制御で充分な領域であっても、あえてAIを一部に導入することで注目度を上げるといった活動もよく見られます。まさに、「AIブーム」なのかもしれません。

 

AIの得意なこと

では、AIの得意なことをいくつか紹介していきます。

 

・データの記憶

・数字の処理

・画像や音声データの処理

・単純な事務作業

・過去の事例から未来を予測する

 

AIは単純なデータ処理を最も得意とします。

人間は睡眠や食事が必要ですから、どんなにがんばっても1日24時間稼働し続けることは困難です。一方、AIはその必要がまったくないので、1日中フル稼働することができます。この特性は機械全般に言えますが、AIの場合、ただの機械に加えて、データ処理能力を持っており、柔軟な対応ができます。

現在ではその特性を活かし、すでに銀行や役所などのいわゆる窓口業務が代替されつつあります。

 

AIの苦手なこと

反対にAIの苦手なことも存在します。

 

・学習していない領域の対応

・自分で意思決定する

・曖昧な指示に対する対応

・クリエイティブな作業

・文脈の意味を理解する

 

特にデザインや文章を考えたりなど、想像力や応用性を必要とする作業は、AIの最も苦手とする領域です。

 

AIの活用例 

ここからは、AIの活用事例を業界ごとにいくつか紹介していきます。

建設業における具体的なAI活用事例はこちらの記事を参照ください↓↓

建設業のAI導入事例を紹介

 

医療

医療業界でメインとなっているAI導入事例は、臨床診断での活用です。

AIを導入することによって、より精密な診断が可能になり、医療ミスの防止につながります。

 

その他にも、以下の作業で活用されます。

・画像診断

・医療データの収集

・現場の効率化

・新薬の開発

すでに幅広い業務に導入されています。

 

製造業

工場をはじめとする製造業に期待できるAIの活用方法は、作業の効率化です。

特に、外観検査などのまるっきりAIが置き換わることのできる作業では、大人数が必要だった工場の大幅な人件費の削減につながります。

それ以外でも、以下の活用方法があります。

・品質の均一化

・従業員の働き方改善

・業務中の事故減少

・商品づくりの高速化

 

金融業

金融業界では、投資の審査や取引、窓口業務がAIによる自動化が進んでいます。

従来、金融業界の支店業務は有人での対応が当たり前であり、確認作業も含めて多大なコストを必要でしたしかし、窓口業務の多くをAIの導入によって削減することができ、大幅な業務の効率化が達成されています。

その他には、以下の事例があります。

・サイバー攻撃や不正送金などのセキュリティ強化

・審査や評価の精度向上

・社内システムの管理

・個人データの管理

それでもいまだにセキュリティの問題などの懸念から、まだまだ人間の手による作業が中心であるのが現状です。

 

活用トレンド 

AIはすでにさまざまな分野で導入が進んでおり、今後も幅広い展開が期待されています。

多彩な機能を持つAIですが、現在はどのような活用方法が多いのでしょうか?

ここでは、AI活用のトレンドについて紹介していきます。

 

チャットボット

Webサイトのお問い合わせ対応や、窓口の顧客対応をチャットボットに代替させるという活用方法がされています。

普段生活するなかで、一番目にすることが多いのではないでしょうか。

従来、人が対応していたことを自動化できることにより、業務の効率化や人件費の削減につながります。

しかし、もちろんAIのチャットボットも全能ではないため、対応窓口を完全に置き換わることは今後も厳しいと思われます。

 

画像理解技術

画像の処理を利用した活用例はいくつもあります。

身近なものだと、カメラを使った人の年齢や性別を認識したりする機能があります。

また、店舗で商品を認識して値段を表示する、「自動レジ」が近年急速に普及しています。

 

対話サービス

人の言語を認識して適切な言葉をかえすサービスも、AIが活用されています。

スマホの音声認識機能や、スマートスピーカーが代表的な例です。今までは文字を打ち込むことが入力手段の主流でしたが、この技術により音声入力もだいぶ広がりを見せています。

利用されて集まったデータを基に学習されるので、現時点では言語認識の精度や、自然な口調の再現など課題もありますが、今後もより成長していくことが予想されています。

 

AI導入の現状

ここまでの解説だけでも、日本国内のさまざまな分野でAI導入が進んでいるように見えまが、世界や企業別に比較するとどのくらい導入が進んでいるのでしょうか?

ここでは、AIの導入の現状を紹介していきます。

 

世界のAI導入状況

実際、日本におけるAIの導入状況は、中国・米国・欧州の主要国を下回っています。

ボストンコンサルティンググループの調査によると、国別の割合は中国が圧倒的に高く、日本は7か国中最低となっています。このことから、日本は主要国と比べるとAI導入率は後れを取っている状況といえるでしょう。

逆に言えば、日本にはまだまだAI活用の余地があるといえます。

企業の人工知能(AI)の導入状況に関する各国調査

出典:ボストンコンサルティンググループ(2018)「企業の人工知能(AI)の導入状況に関する各国調査」

 

企業のAI導入状況

財務省(2018)をもとに、日本のIot、AI等の活用状況を見ると、全体ではIoTが23.1%、AIが10.9%であり、IoT、AIを利用する側では、それぞれ20.6%、9.4%にとどまっている状況です。

AIとIotともに、大企業と中堅・中小企業では大企業が上回っています。これは、企業の規模が小さいほど、IotやAIの活用に着手する余裕がないというのが現状なのでしょう。

また、製造業と非製造業で比べると、製造業の方がIotでは大きく上回っていますが、AIではそれほど大きな差はなく、どちらも低い水準にあります。

財務省(2018)「財務局調査による 「先端技術(IoT、AI等)の活用状況」について」

出典:財務省(2018)「財務局調査による 「先端技術(IoT、AI等)の活用状況」について」

 

AIなどの先端技術における活用目的

AIなどの先端技術における活用目的を見ると、利用側では業務効率の向上やコストの削減を挙げる割合が高くなっています。

財務省(2018)「財務局調査による 「先端技術(IoT、AI等)の活用状況」について」

出典:財務省(2018)「財務局調査による 「先端技術(IoT、AI等)の活用状況」について」

 

AI導入における課題とは?

先ほども紹介したとおり、日本のAI導入は先進国と比べると遅れをとっている状況です。

では、日本が抱えるAI導入の課題は何があげられるのでしょうか?

 

総務省が企業のAI導入にあたって課題としている点を調査した結果(参照:https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h30/html/nd132220.html)では、全体的に「AIの分析結果を担保できない」「有用な結果が得られるか不明」といった課題が多いことがわかります。

また、日本企業においては、特に「AIの導入を先導する組織・人材の不足」を主な課題としてあげているいます。

 

この結果から、日本はAI導入後のIT人材不足が主な原因となり、導入率が上がっていないと考えられます。

このことは、AIを理解して導入の手続きができる人材がいない、または、そういった人材の採用コストが高すぎて着手できないといった現状が原因になっていると考えられます。

建設業界におけるAI活用と課題についてはこちらの記事で詳しく解説しています↓↓

【AIを活用】建設業界で、AIはどう活きる?これからの課題は?

 

AIを導入して業務の生産性は向上する? 

AIを導入しようと思っても、仕事の生産性が上がらなければ導入する意味がありません。

AIの導入には少なからずコストがかかるため、目的を明確にせずにAIを導入してしまうと無駄に管理コストがかかってしまい、「かえって生産性が落ちてしまった」ということになる可能性があります。

 

ここからは、AIを導入してほんとうに生産性が向上するのか、考えていきたいます。

次の図は、AIの普及が企業の事業に対して、どのような影響をもたらすのか調査した結果を示しています。

総務省「ICT利活用と社会的課題解決に関する調査研究」(平成29年)

出典:総務省「ICT利活用と社会的課題解決に関する調査研究」(平成29年)

 

この図から、AIの導入が自社の事業に対して良い影響があるという内容の回答をした企業が比較的に多いことがわかります。

また、従業員301人以上の規模が大きい企業の方が、AI導入によって良い影響が出たと答えた割合が多いようです。これは人数が多い、つまり、規模の大きい企業ほど単純作業を得意とするAIによる寄与が大きいことが考えられます。

 

次にこちらの図ですが、総務省による企業のAI活用目的を調査したものです。

総務省「ICT利活用と社会的課題解決に関する調査研究」(平成29年)

出典:総務省「ICT利活用と社会的課題解決に関する調査研究」(平成29年)

「業務効率・生産性の向上」「省力化・無人化」「不足している労働力の補完」といった項目に関心をもっている企業が多い結果になりました。

また、従業員数301人以上の企業ほど、多くの活用目的を挙げており、AI導入による業務改善の期待値が高いことがわかります。

 

結論として、AI導入により仕事の生産性は向上する場合が多いといえるでしょう。もちろん、すべての場合でそうではない結果も出ているようですが、自社の活用目的を適切に理解し、正しい順序で導入することで生産性は向上するといえるでしょう。

なお、AI導入による生産性向上への効果は規模の大きい企業のほうが大きく、また、AI導入効果への期待も大きくなっています。

 

AIは導入するべき? 

ここまで業界別のAIの導入事例や、各国の導入率を紹介してきましたが、本当にAIを導入してどこまでの利益が得られるものなのでしょうか。

「導入すると何かと便利そうだけど、今すぐ導入しなくてもいいかな…」

そう思った方もいるのではないでしょうか。

 

ここでは、AI導入を導入した際のメリット・デメリットを紹介していきます。

 

AI導入のメリット 

AIを導入することのメリットとしては、主に以下のものが挙げられます。

・コストの削減

・業務の効率化

・安全性の向上

・品質の均一化

・労働力不足の解消

・顧客満足度の向上

・コミュニケーションの向上

 

ひとつずつ紹介していきます。

 

コストの削減

AIを導入することによって人の作業を代替することができるので、大幅な人件費の削減ができます。

代表的な作業は、窓口業務や店舗のレジ業務、簡単な事務作業などです。

完全に無人にすることは難しくとも、少ない人数で仕事をこなすことが可能なので、教育の面でもコスト削減になります。

業務の効率化

人間は24時間同じパフォーマンスで働き続けることはできません。その上、ミスをすることにより、余計なコストが発生することもあります。

しかし、AIの場合は決まった速度で仕事をこなすことができるので、作業内容によっては人間が行うよりも効率的に業務を進めることが可能です。

安全性の向上

人に危害が及ぶ可能性がある危険な作業もAIに代替できれば、人間が行う必要もなくなります。

AIの計算により、その機会そのものをシミュレーションできれば、事故の発生を未然に防ぐこともできます。

品質の均一化

人間が作業を行うと、その人のスキルや気分、体調によって品質にムラが出てしまいます。

AIはプログラムを組み込むとマニュアル通りに作業をしてくれるので、故障や例外事象が起きないかぎり、一定品質を担保することができます。

労働力不足の解消

現在の日本は超高齢化社会の影響もあり、労働力そのものが不足した状態になっています。これからなおさら深刻になっていく見込みです。

そこでAIを導入すれば自動で作業を行ってくれるので、人手が少なくても業務を行うことが可能です。

顧客満足度の向上

AIを活用して顧客のデータを管理し、最適な情報や商品を提供する機能ができれば、顧客満足度を向上させることが可能です。

その他にも、音声認識機能であれば、顧客に対してスムーズな受け答えをすることで同様の効果が期待できます。

コミュニケーションの向上

多言語に対応するための翻訳をAIでまかなえれば、コミュニケーションの質やコストを改善することができます。

国ごとの言語を学習させることで、お問い合わせ対応や観光サービス提供が可能になり、外国との取引も活性化されます。

 

AI導入のデメリット 

反対にAI導入のデメリットは、主に以下のものが挙げられます。

・雇用の減少

・一時的にコストがかかる

・情報漏洩の可能性がある

・事故が起きた際に責任が曖昧になる

・思考プロセスが見えづらくなる

・AI人材の確保が必要になる

 

ひとつずつ紹介していきます。

 

雇用の減少

AIを導入することのデメリットとしてもっとも危惧されているのが、雇用の減少です。

一般的な職業だと、スーパーのレジや一般事務などが、今後なくなるといわれています。その反面、AIの管理やデータ分析などの専門職は、需要が高くなるといえるでしょう。

現状の日本では労働力不足であるため、そこをAIで補えること自体はメリットですが、それで失業者が増えると別の問題が出てきます。事務をやっていた人に急遽AIの管理業務をやらせるというのも現実的ではありませんので、各々が社会で必要な能力を持っているということが求められます。

一時的にコストがかかる

AIを導入するためには、従来の業務フローを全面的に見直す必要があり、はじめに莫大な時間と労力がかかります。

また、導入後もAIに新たな能力を学習させたり、事故が起きないように管理するのに人材や費用が必要になるので、継続的なコストも考慮しなければなりません。

情報漏洩の可能性がある

AIを活用する場合は、ネットワーク上で顧客情報などを管理する必要があります。

そのため、外部からのハッキングを受けた際は全ての情報が漏洩する可能性があるので、セキュリティ対策や、専門知識をもった人材の配置が必要です。

ただ、情報漏洩の問題はアナログであっても起こり得ることで、AIを活用したからといって、一概に情報漏洩リスクが上がるとは言い切れません。

事故が起きた際に責任が曖昧になる

AIが原因で事故を起こしてしまった場合、責任は使用していた人か管理側か曖昧になることがあります。

完全に人間が行う作業は責任が明確ですが、自動運転AIなど作業の一部を人間が担うものは、その可能性が危惧されています。

こういった法律の整備も日本は遅れていると言われており、AI導入が進みにくい一因となっています。

思考プロセスが見えづらくなる

人間の場合はどうしてその結論に至ったか、思考のプロセスを確認することができます。

しかし、AIの場合はプログラムに沿って作業を行うので、思考のプロセスを確かめることができません。いわゆるブラックボックスであるため、成功例も失敗例も、原因を探ることが難しくなります。

AI人材の確保が必要になる

AIを適切に機能させるには、専門的な知識をもった人材がプログラムを学習させることが必要です。AI人材は現状どこの企業も欲している場合が多く、売り手市場のため、採用コストは非常に高くなっています。

また、社内でAI人材を育てる場合は、教育体制の準備や新たな人材の採用、専門部署の立ち上げが必要になります。

 

AI導入までに必要なプロセス 

ここまでAIについて、さまざまな観点から紹介してきましたが、「実際どのようにAIを導入したら良いかわからない」という方も多いのではないでしょうか。

そこで、AIのビジネス活用について、導入プロセスや必要になるものの一例を紹介していきます。

これからAIの導入を本格的に考えている方は、まずは全体像の把握をするための参考にしてみてください。

 

1.自社の経営課題洗い出し

まずは自社の経営課題をすべて洗い出す必要があります。

「コストカットが必要」「売上をアップしたい」など、さまざまな課題がありますが、まずはAIということは置いておき、できるだけあらゆる課題を挙げます。

2.AIを用いた課題解決案の整理

自社の経営課題を洗い出したら、その課題をどうしたら解決できるか整理します。

目的が曖昧なまま導入してしまうと、AIではなくても解決できる作業にコストをかけてしまったり、問題が起きた際の起動修正が難しくなります。

必ずしもAIで解決することが最善とは限りません。そもそもコストをかけずに解決できることも多くあるので、業務全体の工程を見直す良い機会になります。

ここにしっかり時間をかけて、最適な解決案を決めることがポイントです。

3.AIを活用する業務範囲の決定

課題解決案が整理できたら、AIを活用する業務範囲を決定します。

人とAIが行う業務を明確化し、できるだけ効率よく、コストをかけずに業務を行える環境を考えます。

4.利用するAIを選定

次に解決すべき課題に適したAIを選定していきます。

AIといっても、上記の事例であげた通り様々な用途に合わせて、様々な手法のAIが存在します。それによって、最適なプログラミング言語であったり、フレームワークが変わってきます。

例えば窓口業務を代行させたいなら、人の言葉が理解でき、コミュニケーションをとれるAIが必要になります。

5.AIのデータ学習開始

課題に適したAIを選定したら、準備したデータをAIに学習させます。

この時、AIの作業領域を広げるため、できるだけ多くのデータを準備して学習させるようにしましょう。また、この時に完全にデータが揃わなくても、やっていくうちに学習できれば問題ありません。

6.プログラムを組み込む

学習が完了したAIは、プログラミングによってシステムを組み込んでいきます。

この作業は専門的な知識をもった人材が必要になるので、あらかじめ確保しておく必要があります。作りたいものが明確であれば、この部分だけ外注するというもの一つの手です。

7.試験導入・評価

システムを組み込んだAIを試験的に導入して使用していきます。

「想定通りの役割を果たしているか」、「計画時には想定していなかったイレギュラーな事態は起こり得ないか」などをチャックします。

実用性や費用効果、運用コストなどを総合的に評価し、必要に応じて調整を行いましょう。

8.本格導入

試験導入の結果をもとに調整が終わったら、AIを本格導入していきます。

本格導入した後も必要に応じてデータを学習させ、より良いものに改善していきましょう。

 

AI導入に必要なもの 

自社でAIを導入しようとした場合、実際にはどのようなものが必要なのでしょうか?

AIを構成する要素には3つの要素があるとされており、それらは「アルゴリズム」「データ」「ハードウェア」に分類されます。

 

それぞれの特徴について、解説していきます。

 

アルゴリズム

アルゴリズムとは、AIを構成する基本的なプログラムのことです。

コンピューターはいくつもの選択肢を形成して複雑なプログラムを構成していますが、この選択肢がアルゴリズムになります。

アルゴリズムの作成は主に専門的なエンジニアの仕事になります。

データ

AIが正確な分析や予測を行うためには、膨大なデータが必要になります。

そのデータをもとに規則性を発見し、それに応じて出力をを返していく仕組みになります。

人間でいう「経験」にあたるものになります。

ハードウェア

AIの機能を向上させる上では、データ取得の為のハードウェア性能が重要です。例えば、画像認識機能の場合、正確な認識を実現するために、高画質のカメラが必要になる場合もあります。

また、膨大なデータを扱うための処理能力も重要になってきます。処理能力が小さいと、計算時間に膨大な時間がかかってしまいます。せっかく膨大で正確なデータが取得できたとしても、認識して答えを出すまでに毎回1時間もかかってしまうようでは使いものになりません。

ハードウェアの性能に関しては、解決したい課題や目的によって必要になるものが変わってくるので、専門知識をもった人からアドバイスをもらい、テストを繰り返していきながら最適なものを選ぶのが大切です。

 

AIを導入するための費用は? 

いざAIを導入しようと思っても、費用の相場感がわからない場合が多いのではないでしょうか。

AIの導入は高額なイメージがあるからこそ、自社の予算と相談しながら最適な導入をしていきたいものです。

そこでここでは、AI開発の平均費用と料金相場を解説していきます。

 

AIシステムを開発会社に依頼した場合、かかる費用の相場は以下の通りです。あくまで目安なので、実際にどういった会社に何を頼むかによって大きく異なります。

 

内容 費用
ヒアリング 0円
コンサルティング・要件定義 約40200万円
AI化可能性チェック 約40100万円
検証用プロトタイプ作成 約100万200万円
実装(本開発) 月額80万円〜250万円×人月
運用 月額60万円〜200万円前後×人月

 

ヒアリング

ヒアリングでは、自社の課題やAI導入の目的などを明確化しながら、叶えたい機能がどの程度実現できるかを話し合います。

ヒアリングのレベルにもよりますが、基本的に無料になる場合が多いです。

コンサルティング・要件定義

ヒアリングの情報をもとに、費用効果や期間を算出し、プロジェクトの方向性を決める段階です。

全体的な構想が決まったら、要件定義書・仕様書を作成し、本格的に導入段階へと移っていきます。

費用はプロジェクト規模や期間によって異なりますが、40-200万円前後が相場です。

AI化可能性チェック

どんな課題でもAIを導入して解決できるとはかぎりません。

そのため、導入する前にAI化するべき課題かチェック作業が必要になります。

費用はおおむね40-100万円前後が相場になりますが、開発会社によっては無料になる場合もあるようです。

検証用プロトタイプ作成

AI化チェックが終わったら、あらかじめ決めておいた要件や仕様を実現できるか検証していきます。

費用は約100万200万円前後が相場です。

実装(本開発)

検証が終わったら、いよいよ本開発です。

仮運用で見つかった課題を修正しながら、ユーザーの使いやすいかたちに仕上げていきます。

費用はプロジェクトの規模によって変動しますが、月額80万円〜250万円×人程度が相場です。

運用

実装後は結果を分析しながら、AIの調整や機能追加を行なっていきます。

費用は月額60万円〜200万円前後×人月程度が相場になりますが、プロジェクトの規模や機能追加によって金額が大きく異なるようです。

 

自社にAIを導入する前に知っておくべきこと 

「AIを導入したけど思っていた成果が出なかった…」

そうならないためにも、AIを導入する前にどうすれば成功するのか考えなければいけません。

この章では、自社にAIを導入する前に知っておくべきことを3つ紹介します。

 

AIを導入する目的を明確化する

1つ目のポイントは、AIを導入する目的を明確化することです。

当たり前かもしれませんが、とにかくAIを導入すれば業績が上がるなんてことはありません。

AI導入が目的にならないように、事前に自社の課題を明確にして導入する目的をはっきりさせましょう。

費用対効果を考える

2つ目のポイントは、費用対効果を考えることです。

AIを導入する際は、一時的に膨大な金銭コストがかかります。

それを踏まえた上で、「AIを導入して長期的にコストカットにつながるのか?」「投資費用を回収できるのか?」などを、自社の金銭状況と比較して導入するようにしましょう。

この点は一番難しいところで、実際にやってみなくてはわからないことがほとんどです。

AI人材を確保する

最後は、適切なAI人材を確保しておくことです。

AIとひとことでいっても、その領域は多岐にわたるので、自社の専門分野に対応できるAI人材を確保しておかなくてはなりません。

まずは自社の課題に対してどのようにAIを導入したいかを明確化し、その課題に対処できる人材を確保しましょう。

 

まとめ:日本企業のAI導入率はまだ少ない、適切な導入計画を!

この記事では、AI導入の現状や活用トレンド、導入プロセスの概略について解説しました。

「よくわからないから導入を先延ばしにしている」ということであれば、まずは全体像や事例を把握しましょう。上記のデータからもわかる通り、AIを導入した企業の多くは何らかのかたちで業績に良い影響が出ていることが多いのです。

こちらの記事では自社で行ったAI活用を具体的に紹介しているので、ご参照ください↓↓

AIによる部資材(鉄筋)の個数カウントについて課題から開発手順まで解説!

日本は世界各国と比べるとまだ導入していない企業が多いですが、今後は積極的に導入を進めるべきです。国としても、そういったAI活用による課題解決を推奨しており、様々な補助金や支援策が存在します。

しかし、思考停止でAIを導入すると、管理コストが無駄に発生したり、費用がかさんでしまったりするので、事前準備をしっかり行った上で導入することが重要です。